動きが活発な子供達、写真を撮ろうとしても、すぐに動いてしまい、写真がピンボケしていてがっくりした経験はありませんか? 筆者もその一人です。逃したシャッターチャンスは戻って来ません。
一眼レフを持ち出すのが面倒で、コンパクトデジカメで撮影することが増えた昨今。小型の新しい一眼レフを買わないといけないかな?と思っていた時に、コンパクトデジカメなのに、一眼レフ並みのオートフォーカス速度を持つコンパクトデジカメに出会いました。
ソニー RX100M7 (DSC-RX100M7)です。一眼レフと同じ位相差AF(オートフォーカス)方式を採用しています。
価格が高くて、購入を迷いに迷いましたが、購入して正解でした。逃したシャッターチャンスは、お金では買えないですもんね。
実際に使ってみると、高速オートフォーカスで次々と焦点を合わせ、小気味良くシャッターがきれます。じっとしていられない子供の撮影でも、シャッターチャンスを逃すことが少なくなりました。
加えて、瞳AF(瞳認識)は地味に強力です。顔認識よりも確実に顔を捉え、焦点を合わせてきます。実際に使ってみて実感できた性能です。ソニー RX100M7は、Canon党だった筆者を完全に虜にしてくれました。
ここでは、ソニー RX100M7 (DSC-RX100M7)をレビューします。
開封の儀
購入したのはシューティンググリップキット。
パッケージの色は白ベースです。
開封すると、なんと、通常のカメラ単体版の箱がそのまま入っています!その側面と底面に、シューティンググリップキットのアクセサリー類が、別の梱包で収められています。
シューティンググリップキットのマニュアル、保証書は、本体とは別に付属しています。
内容物 (RX100M7 & シューティンググリップキット)
まずは本体側の内容物です。
- カメラ本体
- リチャージャブルバッテリーパック(NP-BX1)
- ACアダプター
- マイクロUSBケーブル
- (リスト)ストラップ
- ストラップアダプター
次に、シューティンググリップキットの付属品です。
- シューティンググリップ (VCT-SGR1)
- リチャージャブルバッテリーパック(NP-BX1)
- (ハンド)ストラップ
- コードクランパー
- ポーチ
- ブラケット (くの字型のパーツ)
- スタートガイドなど印刷物
シューティンググリップにも、カメラ本体とは別にストラップが付属しています。
シューティンググリップキットは、お得か?
価格的には約6000円お得です。
シューティンググリップキットには、シューティンググリップ (VCT-SGR1)と、リチャージャブルバッテリーパック(NP-BX1)、単品販売されていないブラケット(くの字型のパーツ)がセットになっています。
2020年10月1日調査時点での、ソニーストアでの販売価格は下記です。
- シューティンググリップ (VCT-SGR1:ソニーストア販売価格 10,593円(税込))
- リチャージャブルバッテリーパック(NP-BX1:ソニーストア販売価格 6,061円(税込))
- ブラケット (単品販売されていない)
通常のカメラ単体版と、シューティンググリップキットとの実際の販売価格差は、約1万円です。1万円で約1万6千円分のアクセサリーが入手出来ることになります。
金額的には絶対お得です。
別の見方をすると、バッテリーを単品購入価格が約6000円ですので、追加約4000円で、グリップ、自撮り棒、小型三脚としても使えるシューティンググリップが手に入る計算になります。
旅行用、動画撮影用に予備バッテリーを当初から購入予定だった筆者は、Vlog (Video Blog)などで最近流行りのシューティンググリップを試してみたい気持ちもあり、シューティンググリップキットの方を購入しました。
スペック (RX100Ⅶ & シューティンググリップキット)
カメラ本体 (DSC-RX100M7)
カメラの主な仕様をまとめました。
- センサータイプ: 1.0型 メモリー一体積層型CMOS
- ISO感度: ISO100~12800
- 有効画素数 : 約2010万画素
- 画角 (35mm判相当): 24-200mm (8倍ズーム)
- F値(開放): F2.8(ワイド端時) -4.5(テレ端時)
- 手ブレ補正機能: 光学式 (4K動画撮影時でもアクティブモード対応)
- オートフォーカス速度: 世界最速0.02秒AF
- 方式: 位相差検出方式 / コントラスト検出方式
- エリア: 位相差検出方式:357点 / コントラスト検出方式:425点
- その他: 瞳AF対応、リアルタイムトラッキング対応(被写体に自動でピントを合わせ追随)
- 連写: α9でも採用されている最高約20コマ/秒の連続撮影
- 動画画素数: 4K、Full HD対応
- 記録フォーマット(動画): XAVC S、AVCHD
- 動画の最大連続撮影時間: 約29分
- 4K動画の連続撮影時間: 約5分(「自動電源OFF温度」を「高」に設定すると5分以上撮影可能。カメラの内部温度が高くなりすぎると自動でOFF)
- 入出力端子: マイクロUSB端子、HDMIマイクロ端子、マイク端子
- 無線規格: WiFi、NFC
- 静止画:約260枚 / 約130分 (液晶モニタ使用時)
- 実動画撮影時:約40分 (液晶モニタ使用時)
- 外形寸法(幅×高さ×奥行) :101.6×58.1×42.8 mm
- 重さ: 約302g (バッテリー、メモリーカードを含む)
シューティンググリップ (VCT-SGR1)
続いて、シューティンググリップの仕様です。
- ボタン: シャッター、録画開始/停止、ズームボタン
- インターフェース: マルチUSB端子
- 大きさ:
[グリップ時]約 幅36.1×高さ108.3×奥行30.0m
[三脚時]約 幅105.7×高さ82.5×奥行92.2mm - 重さ: 93g
- 対応カメラ: DSC-RX0/RX0M2/RX100M2/RX100M3/RX100M4/RX100M5/RX100M5A/RX100M6/RX100M7/HX90V/HX60V/WX500
(RX100初代モデルは非対応) - 最大負荷:1kg
各部の写真
鳥瞰
正面からの鳥瞰です。ZEISSの青いマークがデザインを引き立てています。カッコいいです!
次は背面です。写真は、フラッシュをポップアップした状態で撮ってみました。
液晶画面は3型。当然、タッチパネル対応です。
ポップアップ式のフラッシュはカメラ中央に配置されています。フラッシュ手前のボタンスライドさせることにより出てきます。
ズーム時
カメラ起動時の初期状態です。画角24mm(ワイド端)です。
次の写真は、画角200mm(テレ端)です。さすが200mm、レンズ部の長さは約5.7cmあります。長いです!
電子ビューファインダー (EVF)
電子ビューファインダー(EVF: Electronic View Finder)をポップアップしたところです。
電子ビューファインダーとフラッシュの両方をポップアップさせると、こんな外観です。か、カッコいい〜!
次は、電子ビューファインダー(EVF)を背面から撮った写真です。
カメラ本体側面のFINDERのボタンをスライドさせると、EVFが出てきて、自動的に背面液晶画面がオフになります。EVFはもちろん視野率100%。EVFの画質は思っていたより鮮明で、技術の進歩を感じました。
EVFの上面に見えているのは視度調整レバー。EVFを覗いた時にぼやけて見える場合は、この水平レバーで調整できる。筆者は工場出荷状態ではくっきり見えず。少し調整してみたら、画面の上下端に見えている撮影情報も含めて鮮明に見られるようになりました。
液晶画面の傾きを変えたところ
液晶画面はチルト式です。ちなみにチルト(tilt)とは、英語で傾ける(動詞)、傾き(名詞)といった意味です。以下では、液晶画面の角度を変えたところを見ていきます。
最初の写真は自撮りポジション。液晶画面の一部が本体で隠れてしまいますが、ほんの一部ですので大きな問題はなさそうです。
子供目線やペットの撮影に便利な、ローポジション時には、液晶画面はこんな感じの角度で。画面の角度はスムーズに変えられます。
ハイポジションの時には、カメラを自分の頭の上に持ち上げ、液晶画面はこんな感じでの角度で。(撮影の都合で、カメラ本体は寝かせました)
バッテリー & メモリーカードスロット
バッテリー & メモリーカードスロットを開けた状態。 バッテリーの型番は、NP-BX1。メモリーカードは、SDカードだけでなく、メモリースティック デュオ系にも対応します。
ストラップ取り付け用の穴
ストラップ取り付け用の穴です。カメラの両サイドにあり、リストストラップ、ショルダーストラップ、どちらも対応可能です。
実際に使ってみた感想
ここまでは、出来る限り客観的、定量的な情報を伝えてきたつもりです。(外観写真でカッコいい〜、なんてコメントも書いたりはしましたが、、、)
ここからは、筆者が実際にRX100M7を5ヶ月ほど使用してみてのインプレッションを書いていきます。写真や、スペックの数値だけでは分からない所が伝わればと思います。
良かった点
まずは良かった点から。
オートフォーカス爆速
オートフォーカスはとにかく速いです。ソニーが1インチセンサーサイズクラスでは世界最速と謳っていることは実感できました。
シャッターボタンを半押すと、一瞬で焦点が合い、小気味良くシャッターがきれます。カメラに詳しくない嫁さんでも「前のカメラよりぜんぜん速いね」と直ぐに分かったようです。(前のカメラというのは、Canon PowerShot G7X)
瞳認識(瞳AF)は強力
瞳認識(ソニーは「瞳AF」と呼んでいます)は、従来の顔認識よりも確実に顔を捉えている印象です。振り向いたり、顔の位置が動いても、一瞬で焦点を合わせてきます。正確には、合わせ続けてきます。
瞳AFは、顔認識とハイブリッドで動作しているようです。例えば被写体が3人の時、2人が顔認識、1人が瞳認識などと、認識できる方式で人の顔を認識し、焦点を合わせてきます。未認識が少なく、使っていて、本当に気持ちがいいです。
8倍ズームはやっぱり便利
ズームはあればあっただけ便利です。被写体にグッと寄った写真を容易に撮影できます。
このサイズのデジタルカメラであれば4倍ズームくらいが標準でしたが、それなりに小さいF値で8倍ズームを作ってくるソニーの技術力はすごいですね。
RX100M7の最も特筆すべき特徴は、やはり、高速オートフォーカス、瞳AF(瞳認識)、8倍ズーム、この3点だと思います。
気軽に鞄に入れて持ち運べる
カバンに入れて持ち出すときでも、家での撮影でも、このコンパクトさはやぱっり便利です。気軽に、そして自然とカバンに入れて持ち歩いてしまいます。
このサイズに慣れてしまうと、かつてより小さくなったとはいえ、一眼レフを使うのがおっくうに感じてしまいます。
家のリビングで子供の写真を撮るときでも、サッと棚から取り出して大活躍しています。
コントロールリングによるズームはスムーズ
AUTOモード時に、コントロールリングを回すとズーム倍率を変更できます。その動きが、非常に滑らかなのには驚きました。(一方で、シャッターボタンのところにあるズームレバーを使ってズームするときはい、高速にグィッとレンズが動きます。)
ズームを微調整したい時、特に動画撮影時に自然な雰囲気でズームしたい時に重宝しています。
改善してほしい点
次は改善して欲しい点。
バッテリーの持ちが悪い
普段使いには問題を感じていません。
感覚的な話になってしまうのですが、写真と動画の両方で撮影しているためか、充電表示が直ぐに一目盛減ってしまいます。一目盛減ると、すぐに充電が無くなってしまいそうな気分になり、すぐに充電したい気分になります・・・(^^;)
ちなみに、子供の学校のイベントにて、約25分と11分の動画2本、26枚の写真撮影で4段階表示のバッテリー表示が2つ減りました。(動画フォーマット:記録方式XAVC S HD、記録設定60p 25M、写真フォーマット:JPEG、画質ファイン、サイズ L 20M)
旅行、運動会などのイベント用には、予備の充電電池を用意したいところです。(モバイルバッテリーで充電出来るとはいえ、実際問題、なかなかそんな余裕はないですもんね)
充電器が別売り
RX100M7の充電方式は、スマホのようにACアダプタからケーブルをカメラに直結して充電します。
筆者はキヤノンユーザーでした。キヤノンのデジカメは、標準で充電器が付属します。好みの問題かもしれませんが、端子カバーを外してケーブルを挿すよりは、充電電池をカメラから取り外し、充電器で充電出来た方がお手軽に感じます。
やっぱり、別売りの充電器があった方が便利です。
4K動画の連続撮影時間が短い
標準の最大撮影時間は5分です。設定を変えれば、カメラの内部温度が許す限り、更に長い時間撮影出来ます。(ちなみに設定方法は、「自動電源OFF温度」を「高」にします。)
とはいえ、続けて撮影している時はカメラの温度に常に気を配る必要があり、ヒヤヒヤします。
動画フォーマットは、常用はするのはフルHD、短時間かつ高画質撮影は4K、と使い分けるのが良さそうです。
USB端子がUSB-Cではない
外部端子の規格がマイクロUSBで、USB-Cではありません。
非常にコンパクトなカメラですので、搭載する場所がなく仕方ない面もあるとは思いますが、2019年発売の高級コンパクトデジカメ。やっぱり「USB端子はUSB-C」を期待してしまいます。
冊子タイプの取扱説明書が付属しない
この点も最近の流れで仕方ないとは思っていますが、冊子タイプの取扱説明書は付属しません。操作方法などは、ソニーのサイトで確認できます。ちなみに、URLは下記です。
Web取扱説明書: https://helpguide.sony.net/dsc/1920/v1/ja/index.html
サポートページ: https://www.sony.jp/support/cyber-shot/products/dsc-rx100m7/
インターネット上に詳しく掲載されているのですが、ささっと調べたいことを確認するには、冊子タイプの方が便利に感じます。
あと、せめて、アクセサリー一覧のチラシくらい同封してうれしいかなぁ、と思います。パッケージの側面に、対応しているアクセサリーの一部が紹介されてはいます。おそらく、誰も、マジマジと見ないですよね?
ちなみに、店頭に置いてある、RX100, RX10シリーズ総合カタログには、「アクセサリーシステムチャート」としてし、ソニーから販売されている多数のアクセサリーのどれが、RX100M7に対応しているのかが分かりやすく掲載されています。ご参考まで。
次に出る新機種で、少しでも改善していると嬉しいです!
最後に
ソニー RX100M7 (DSC-RX100M7) をレビューしてきました。スペックだけでは伝わらない所を出来る限り書いてきたつもりです。
RX100M7は価格が高く、筆者は実際に購入するまでにかなりの時間がかかりました。が、今ではもっと早く購入しておくべきだったと感じています。
こんなにさくさくとフォーカスが合って、シャッターが切れるとは思っていませんでした。逃してしまったシャッターチャンスはプライスレスです。多少価格が高くても、自分にとっては貴重で大切な、今の一瞬を残しておくためにお金を使うべきだったなと。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。皆さんのカメラ選定の一助になれば幸いです。